1.ワッシャーとは
ワッシャーとは、ボルトやネジ、ナットを締め付ける際に、母材の間に組み込む円状の穴の開いた部品のことを指します。
日本語では「座金(読み:ざがね)」と呼ばれます。
ワッシャーにも様々な種類が存在しますが、一般的には「平ワッシャー」のことを指すことが多いです。
平ワッシャーは、ドーナツ状に穴の開いた平らなワッシャーです。
2.ワッシャーの用途と役割
主に、ワッシャーの用途は2つに分けることができます。
ワッシャーの種類や使用する材質によって効果が異なるため、それに合わせて用途や役割も違ってきます。
1.母材との緩み防止
2.気密性を保つ
〇母材との緩み防止
ワッシャーは、ボルトやネジ、ナットの緩みを防止する役割があります。
ネジをワッシャー無しで母材に組み込もうとすると、母材に食い込ませない限り、ネジの座面と母材の間に小さな隙間が生じてしまいます。
しかし、ワッシャーをネジの座面と母材の間に入れてあげることで、ネジを締めた際にワッシャーが母材の形に変形し、隙間なく密着してくれます。
ネジと母材との接地面の摩擦力によって緩みの具合が変わってきます。
ネジの座面よりも接地面の大きいワッシャーを母材との間に組み込むことで、より大きい摩擦力が発生するため、緩み防止をすることができているのです。
〇気密性を保つ
ワッシャーには、ネジの取り付け部分から気体や液体の漏れ・侵入を防ぐために、気密性を高める役割もあります。
隙間なくネジが組み込まれているように見えますが、座面と母材の間には小さな隙間が発生しています。
この隙間を無くし、ネジと母材の気密性を保持するために銅やアルミ製のワッシャーを使用することで、ワッシャーを潰し隙間を密閉することができます。
3.ワッシャーの材質の選び方
ワッシャーの使用用途や役割については、お分かりいただけたと思いますが、ワッシャーの材質はどのように選んだらいいのでしょうか。
ワッシャーの用途からみた、材質の選び方を紹介していきたいと思います。
緩み防止
ワッシャーに緩み防止を求める場合は、鉄・ステンレスの材質を用います。
鉄製のワッシャーは、最も多く使用されている材質のワッシャーになります。
ステンレス製のワッシャーは、錆びにくいため耐食性が求められる箇所に使用されます。
反対に、鉄製のワッシャーは、錆びやすいため表面処理を施し、使用されます。
絶縁や気密性の保持には使えないものの、食い込み防止や母材の損傷防止、緩み止めなどを目的に用いられています。
気密性を保つ
気密性を保つためには、アルミ・銅の材質を用います。
特にアルミ製のワッシャーは、他の材質と比較し、軟らかい材質なためワッシャーを潰し、母材との隙間を密閉することができます。
同じように、銅も気密性を保つために使用されますが、アルミと比較して、高価であるため再利用して使用されることもあります。
また、一度ワッシャーとして使用したものは、変形して再使用することはできません。
しかし、銅は他の素材と比較して、ワッシャとしてではなく資源として再利用されることがあります。
樹脂製のワッシャーは、気密性の保持が目的の場合のほか、母材も樹脂の場合や母材を傷付けたくない場合などに採用されます。
ただし、樹脂製ワッシャーは、樹脂の種類によって特性が大きく異なるため、用途に応じた選定や特性に応じた使い方が必要です。
4.ワッシャー製品事例のご紹介
本製品は、S25Cのストレートワッシャーです。
主に本製品は、自動車と産業機械に使用されます。
S25Cは機械部品に使用される軟鋼ですが、比較的硬い材質になります。
最近では、S45Cが使用されることが多いです。
本製品は、SS400の段付きワッシャーです。
主に本製品は、建設機械や産業機械に使用されます。段付きを入れているため、装置側との位置決め、密着度を上げるという効果があります。
通常のストレートワッシャーに比べて、段付きを作る加工工程が増え、また切断工程があるため、通常は3工程必要になります。
一方、当社は先に段付き側を加工し、裏を加工するという工程のため、切断工程が無く、2工程で完了します。
そのため、工数削減を実現し、トータルコストダウンを実現いたします。
5.まとめ
今回は、使用用途からみたワッシャーの材質の選び方を紹介しました。
特注スペーサー・カラー製造.comを運用する株式会社カドクラは、
”特注品”の製作を得意としております。高精度・高品質での削り出し、単純形状から複雑形状まで、
お客様のご要望に合わせた製品製作を行いますので、ぜひ一度ご相談下さい